こんにちは、梶原しげこです。

 

うれしいことがありました。
私、学校でもカウンセラーをしています。
ある高校生が相談しに来てくれました。

 

「僕のことじゃないのですが」
彼の話が始まりました。

 

彼は友達が悩んでいるので、
それに対してどのように話を
聞いてあげれば良いのかを
相談に来てくれたのです。

 

友達はかなり辛い状況のようですが、
その友達の力になってあげたいと
足を運んで相談に来てくれる生徒が
いることがうれしかったのです。

 

10年くらい前までは、
そんな生徒たちが結構いたのです。

 

友達が学校に来れていない。
「家に尋ねていっていいかな？」と
相談に来てくれる。

 

親が不倫をして悩んでいる友達がいる。
その子を引っ張ってきて、
どうすればいいかと一緒に考えてくれる。

 

友達が部活の先生から怒られまくって
あまりに理不尽だと思う。
この状態をどうしてあげたらいいのかと
怒りながら相談してくれる。

 

友達が困っている。
そのそばにいる子は
力になりたいと考える。
そして自分だけで考えるだけじゃなく、
利用できるものは、
何だって（って私？）利用しようと
相談に足を運ぶ。

 

 

友達が学校に来れていない。
「家に尋ねていっていいかな？」と
相談に来てくれた彼。

 

学校に来れない友達の家に
突然押しかけました。
でも会いたくないなんて言われます。

 

それでもこりずにまた家を訪ねます。
そのうちその子の部屋に
入れるようになりました。
その友達が寝ている横で
ぐだぐだどうでもいいことを話するようです。

 

そのうち友達が
「よく寝ているから、めちゃ背伸びたわ」と
わけわからん自慢をしてくるようになります。

 

そして一緒にぶらっと外に出かけ、
一緒にご飯に行くようになったそうです。

 

一緒に自転車でどこまで行けるか
走り続けて、力尽きて
最後には自転車を放って帰りました。
（その自転車たちはもちろん
後日回収しました。）

 

そんなふうに「おせっかい」とも
取られるような関わりがあり、
関係が育まれ、
辛いことも楽しいことも
時に話し合い、
時に笑い飛ばし、
そして様々な時を一緒に乗り越えていく。

 

そんな関係にほんの少し
関わらせてもらえることは
何よりもうれしく、
また興味深くもあります。

 

そんな彼らも大人になって、
結婚をし、子供もできて、
それでも相変わらず
どうでもいいことを
ぐだぐだ言っているようです。

 

「僕のことじゃないのですが」
と始まった生徒の話に
色々あったことを思い出しました。

 

 

友達が困っている。
そのそばにいる子は
力になりたいと考え、
何かを始める。

 

そのような関係がまだまだあることを
目の前で見せてもらいながら、
彼らの中で深まっていく関係が
感じられて心が温かくなりました。

 

そして頭の片っ方では、
私はもっと冷めた人間だよなと
ちょっと苦笑いをしている自分も
いたりはするのですけどね。

 

でも、人と人との関係をつなぎ、
深め、改善する、
そんなお手伝いができたらと
いつも思っています。

 

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