Solaでのカウンセリング手法の中に、「EMDR(イーエムディーアール)」というものがあります。
簡単に言うと、過去の心の傷を緩和したり、トラウマ治療に用いるカウンセリング手法です。

EMDRというのは、「Eye Movement Desensitization and Reprocessing:眼球運動による脱感作と再処理法」の略です。
眼球運動? 脱感作? 聞き慣れない言葉ですね。

EMDRの説明をする前に、まずは「トラウマ」の話をしましょう。

①トラウマとは?

トラウマという言葉は、皆さんも一度は耳にした事があるのではないでしょうか。
大きな災害や虐待・いじめなどの深刻な経験の後に、急にその体験を思い出して辛くなることや、不安や落ち込みがずっと続くことがあります。

多くの場合そのような体験があっても、時間が経つにつれて自然にその痛みが薄らいでいき、「あの時は辛かった、怖かった」とそれも思い出の一つとなっていきます。それは体の傷がかさぶたになり、やがて治っていくのと同じように心にも自然治癒力が備わっているからです。人間ってすごいですよね。

しかし時には時間が経っても、その体験の映像やその時の感情・体の感覚が混乱したまま維持されることがあります。またその影響で「私は弱い人間」「私はだめな人間」というように自分のことを必要以上に否定的に見てしまったりすることもあります。
なぜそうなるのでしょうか?

それは、脳の情報処理のシステムがうまく働かず神経系統のアンバランスが起こっているのではないかと考えられています。このような状態をトラウマと言います。

②目の動きが脳を整える

EMDRの生みの親フランセス・シャピロ博士は、ある時嫌なことを考えながら散歩していました。その時偶然、目を左右に素早く動かすと気分が楽になることに気付いたのです。
本当に不思議なことですね。
この発見を基に、ベトナム帰還兵や虐待のサバイバーに、同じことを試してみたのがEMDRの始まりです。

EMDRでは、まず最初に安心できる環境作りから始めます。次に、辛い体験や体の感覚を思い出しながら、同時に目を左右に動かすなどの刺激を与えます。このことが、なぜ心を楽にするのか、そのメカニズムは、はっきりとは分かっていません。

しかし、目から入ってくる現実的な刺激によって、脳が本来持っている情報処理システムがうまく働くようになるようです。その結果、辛い体験を思い出すことがあっても、今は大丈夫と思えるようになります。

新しいトラウマ治療法なので、何をしても効果がなかった方にも、ひょっとしたら救いとなるかもしれません。

③Solaのトラウマカウンセリング

基本的には、相談者の方の望む方向に向けて、ご自身が持つ力を高めていく、ソリューション・フォーカスト・アプローチという方法で、トラウマへのカウンセリングを行います。すると、苦しみの中でも生き抜いてきたご自身の力が引き出され、良い記憶、良い自己認知が強くなり、辛い記憶は力を失っていきます。
その中で、辛い体験に伴う直接的な痛みをEMDRで緩和していくこともできます。

カウンセリングの途中でこちらからEMDRを提案させていただくこともありますし、ご希望される場合はお申し出ください。
通常のカウンセリングより時間をかけることに伴って料金も変わりますが、丁寧にご説明しながら進めていきますのでご安心ください。

料金について、詳しくはこちらをご覧ください。
※ご相談内容や相談者の方の状態によってはEMDRが使えないこともありますので、ご了承ください。