うまくいかない中でも、創造されるものがある

 

 

こんにちは、梶原しげこです。

私は学校でもスクールカウンセラーとして
仕事をしています。
先日入学式の後、
新入生の保護者の方に
少しお話をする機会がありました。

 

前々日に原稿を作り、前日に練習をして、
今回の内容は
結構いい感じでできたんじゃないの、って、
お話することをちょっと
楽しみにしていました。

 

短い時間だし、練習したし、余裕よね。
なんて思ってたのに・・・

 

演台の前に立ったところ、
ぎゅっと緊張している
自分に気づきました。
「大丈夫、大丈夫」って、
言い聞かせながら、
話をし始めたけれど、
ドキドキが止まりません。

 

そして途中で笑いを取ろうと、
原稿にはない一言を入れて・・・
それが失敗の元でした。

 

えーっと、その後、なんだっけ???
手元に原稿を持っていたけど、
どこまで進んでるのか
見る余裕もありません。

 

しかたないと
ただ今頭に残っていることだけを
話しました。

 

後の方で抜けたところに気づき、
最後にそれも伝えました。
でもそれで話の流れが
つながったのかどうなのか
自分ではよくわかりませんでした。

 

終わって、はあ~と、
深いため息が出ました。

 

保健室の先生が
パチパチと手を鳴らしながら
「良かったよ」と
声をかけてくれたけど、
そんな言葉も耳に
入らないくらいでした。

 

せっかく原稿作ったのに、
せっかく練習したのに、
絶体良い内容だったのに、

 

悔しいというか、
情けないというか。

 

時々、こんなふうにこけるよね。
そうするとまた次うまくいかなかったら
どうしようって
不安になるよね。
完璧でないとダメ。
うまくやらないとダメ。
そう思っている自分がいました。

 

そんなことをある人に話をしました。
話しているうちに、
自分の頭にある物語が浮かびました。

 

生徒のミスを許さない
厳しい音楽の教師の物語でした。
(自作のお話なのですが)

 

ミスのある生徒は上達しない、
そんな生徒を抱えていたら
教師としてのプライドが許さない。

そんな風に考えている教師でした。

 

ある時、教師の前に
一人のピアニストが現れました。
そのピアニストは

教師の前でピアノを弾きました。

 

その演奏は楽譜からは
外れている音があり、
外れているリズムがありました。
でもそれは素晴らしく
独創的であり、

深く感動をよぶ演奏だったのです。

教師は自分の音楽の世界が
一気に広がるのを感じました。
ミスの中から、
決まったことから外れる中から、
何か新しいものが生まれてくる。
そのことに教師が気づく、
そんな物語でした。

 

それを想像した時に、
ふと思い出したのです。

 

私は保護者に話す緊張の中で、
途中でそろえたいた足を
開き体がどっしりと
安定するようにしていたことを。
それは緊張を
そのままにするのではなく、

何かを変えようとする行動でした。

それによって落ち着いたかといえば、
そうとは言えません。
でも、その緊張の中で、
生まれた何か新しい芽ではありました。

 

失敗だ、うまくいかない、
そんな中からも
新しい何かが常に生まれているのです。
それがクリエイティブ、創造です。
それが創造の芽なのです。

 

 

それに気づいた私は、
次のチャレンジへの怖さが
少しマシになり、
代わりに何が生まれるのだろうと
楽しみがわいてきました。

 

うまくいくときは素晴らしいです。
でもうまくいかない中でも、
新しい何かが生まれてきます。
そしてその新しい何かに気づくことで、
それをまた次に活かしていくことができます。

 

私は次に緊張した時に、
きっと体の姿勢を変えることを
やってみるでしょう。
そうすることで、
ほんの少し緊張から距離を取り、
体の方に気持ちを

向けることになるでしょう。

そのほんの一瞬の切り替えが、
何か流れを変えてくれるかもしれません。
また他にも何か生まれてくるものが
あるかもしれません。

 

どうでしょうか?
あなたはチャレンジすることが、
少し楽しみになりましたか?

 

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