謹賀新年

TOP カウンセラーのひとり言謹賀新年

明けましておめでとうございます。

昨年は、アメリカでも日本でも新政権が誕生しましたが、変わらず不景気が続き温暖化への具体的な合意もなく、日本では変わらず1日100人近い自殺者が出ています。
このような社会の中で、先の見えない不安を感じておられる方も多いのではないのでしょうか。

でも反対にこんな時代だからこそ、生まれてくるものもあります。

年末に「やねだん~奇跡の集落13年の記録」というテレビ番組を見ました。
「やねだん(柳谷)」とは鹿児島県にある人口300人のうち65歳以上が4割という過疎高齢化の集落です。
当時あった地区の余剰金はたったの一万円。
その中で一人のリーダーが中心となり、行政に頼らず自分たちで地域を再生しようと取組み、10年余りで地域再生を果たしていく姿が紹介されていました。
集落の皆がボランティアで、労力や経験を提供しあい、道や公園を整備し、土着菌を使った飼料や“やねだん”という焼酎など、独自の商品開発で財源を増やし、高齢者の緊急連絡装置を設置したり、寺子屋を作ったりと福祉や教育を充実させていきました。
でも、最初からうまくいったわけではありません。
関心を示さない人がいたり、批判的な人がいたり・・・
それでも、その人たちをも参加できるように、あれこれと工夫を凝らしながら、活動が広がっていく様子がうかがえました。
かつては集落から出て行った若者のUターンも増え、5年間いなかった赤ちゃんも誕生しました。
商品の販売によって財源は増え、すべての世帯にボーナスが配られるほどになり、今では「やねだん」は全国から視察が来るほどになっているそうです。
子供からお年寄りまで、皆の生き生きした姿がとても印象的でした。

このような話を聞くと、どのような状況であっても、何かしら道が開けるやり方があるのではないかと思いますし、人間ってまだまだ捨てたものじゃないと希望がわいてきます。
このような大きな成功ではなくても、自分の中にある、また自分の周りにある、小さな希望にできるだけ目を向けていきたいと思っています。

今年も一年よろしくお願いします。