#5 まだ途中です——AIとカウンセリングの未来を一緒に考えたい

こんにちは、梶原しげこです。

 

正直に言います。Stepsはまだ完成していません。

目指しているものと、実際にAIが返してくる言葉の間には、まだ距離があります。

いくつか具体的な例を挙げてみます。

 


たとえば相談者がこう言ったとします。

「最近疲れていて……もう消えてしまいたいと思うのです」

するとAIは「消えてしまいたい」という言葉に対して命の危険を判断し、

すぐに専門機関を案内します。

でも実際にはこの言葉、「逃げ出したい」くらいの意味であることも多い。

本当は「消えてしまいたいって、どういうことですか?」

とまず意味を確認してから対応してほしいのです。

 

あるいはこんな場面もあります。

「わからないことを聞いてばかりで、周りの人に迷惑じゃないかと思ってます」

するとAIはこう返します。

「でもそうやって周りを思いやりながら工夫を続けているのは素晴らしいですね」

 

良い面に気づかせようとする意図はわかります。

でもこれを毎回言われると、無理に褒められている気がして、

そんなことはないと否定したくなってしまう。

 

そして一番気になるのことは、前回にも書いたように、

相談者のニーズをAIが早わかりして先に進めてしまうことです。

その人が何を望んでいるのかが明確になる前に、AIが方向を決めてしまうことが起こる。

そこがまだ難しい。

 


それでもなぜ続けるのか。

 

AIの台頭の中でカウンセリングのあり方が変化していると感じるし、

変化していかなければ取り残されるという危機感があります。

 

それだけではありません。

Stepsを作る作業は手間がかかります。

でもその過程で、知らないことを知る楽しみ、

できなかったことができるようになる喜びがあります。

 

そして何より、この作業を通じて改めて自分が何をしていて、

何を大切にしているか、カウンセリングを効果的にしているのは何かを

深く考える機会になりました。

作ることが、学びになったのです。

 


 

最後に、専門家仲間の皆さんへ問いかけたいことがあります。

カウンセリングの現場でAIの影響を感じていますか?

感じているとしたら、どのくらい、どんなふうに?

これからのカウンセリングの変化について、予想していることはありますか?

AIができること、人間にしかできないことの違いをどのように考えていますか?

 

おそらく、どのような理論に立っているか、どのようなカウンセリングをしているかで、

答えは大きく違うと思います。

 

私自身は一つの予感を持っています。

これからは身体性を重視する手法——表情、声のトーン、沈黙、その場の空気、

あるいは音楽療法やダンスセラピーのように身体感覚や動きそのものを扱う手法——

の価値が上がるのではないか、ということです。

 

AIには感じ取れない、人と人が直接会うからこそ生まれるものが、

もっと重視される時代が来るのではないかと。

 

そうなった時、SFAはどうなるのでしょうか。

言語を中心とするSFAの独自性は薄れていくのか。

それともSFAの「その人の中にある力やリソースに光を当てる」という哲学を保ちながら、

身体性をもっと積極的に取り入れて進化していくのか。

 

まだ答えはありません。でもだからこそ、一緒に考えたいのです。

 


このブログを読んでくださった皆さん、そして専門家仲間の皆さん、ぜひ感じていることを聞かせてください。

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