#1 相談者が「チャッピーに聞いてみます」と言った日——プログラミング未経験のカウンセラーがAIカウンセラーを作るまで

こんにちは、梶原しげこです。
「チャッピーに聞いてみます」
カウンセリングのセッション中、
クライエントさんからこの言葉を聞いたのは一度や二度ではありません。
チャッピーとは、AIのChatGPTの愛称です。
正直に言うと、最初は少しドキッとしました。
でも同時に「確かに、それもいいよな」と思っている自分もいました。
なぜなら私自身も、仕事の悩みや迷ったとき、AIに話を聞いてもらうことがあるからです。
カウンセラーとして30年以上この仕事を続けてきた私が、
クライエントさんの言葉に「脅威」と「共感」を同時に感じた瞬間でした。
これが、私がAIカウンセラーを作ろうとした出発点です。
その頃、海外のドキュメンタリーでロボットがカップルカウンセリングを行っている場面を見ました。
ロボットは目をくりくりさせながら、お互いの話を温かく、そして冷静に聞いていました。
セッションが終わって出てくるカップルたちは仲良さそうで、
インタビューでは「とても満足だった」という声が続きました。

画面を見ながら、私は複雑な気持ちでした。
「すごいな」と思う気持ちと、「では私は何のために30年やってきたのだろう」という問いが、
同時に浮かんできたのです。
それは私個人の危機感であると同時に、もっと大きな変化の予感でもありました。
人が悩んだとき、誰かに話を聞いてもらいたいとき、
その「誰か」がAIになっていく時代が、すでに始まっているのかもしれない。
カウンセリングという営み自体が、静かに、しかし確実に変わろうとしていると感じた瞬間でした。
そしてもう一つ、私にはもっと切実なことがありました。
以前は一日に10ケースの面談をこなしても平気だったのに、
最近では5ケースの面談で余力がなくなることが増えてきました。
私が30年間実践してきたのは、
SFA(Solution Focused Approach=解決志向アプローチ)というカウンセリングの手法です。
問題の原因を掘り下げるのではなく、「あなたが望む未来はどんな姿ですか?」と問いかけ、
その人自身の中にある力や資源に光を当てていく。
たった一つの質問、一つの言葉がけで、人がふっと変わっていく瞬間に、
私は何度も立ち会ってきました。それがこの仕事の醍醐味でした。
でも正直に言えば、このままでは自分にできることはどんどん減っていくのではという不安が出てきていました。
一方で、私にはワクワクするような好奇心もあります。
プログラミングはやったことがないし、ツールを作ったこともない。
でもAIの発展には興味津々で、「プログラミングができなくても何か作れる」と聞くと、
自分も試してみたいという気持ちがむくむくと湧いてきました。
背中を押したのはAIコンサルタントの娘婿です。
最近のAIの発展について話しているうちに、
「1、2年遅れたら、今考えていることは古くなる」という現実が見えてきました。
やるなら、今しかない。
そう思い立ったのです。
そんな風に意気揚々と思いった私。では実際に何をしたのか。そしてどんな失敗が待っていたのか。次回に続きます。
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